SHARP製 モニタ LL-T1510Aの修理

このモニタは以前某友人のS氏から

安くゆずってもらったものです.

PC-98の水平24.8kHzも読めるので重宝していましたが,
いつ頃か
画面に横の縞状のノイズがでるようになり
しばらくつけていると正常になるという,まさにコンデンサの劣化と思われる症状がでましたので修理してみます.

 

(写真は修理後です)

まずは外せるところをひたすら外していき

このように
パネル 電源 メインボード DCACインバーター コントローラのみの状態にします,バラック状態ですがちゃんと電源を入れれば写ります.

あと映像ケーブルと電源ケーブルに一部ティシューがまいてあるのは,
もともとケーブルに黒い布テープがまいてあったのですがそれがどろどろに溶けてしまって手につくととれないくらいの惨状になってたのでとりあえずティッシュをまいておきましたが
修理後灯油で洗浄し,アルコールで脱脂を行いました.

 

ちなみに液晶のパネルは
LQ150X1DR10というTNパネルのようです.

さすがのSHARPでも15インチにIPS液晶ではないようです

フレームとケーブル類を外すひつようがありますがこのような配置になっていることを忘れないように.
肝心な故障原因ですが

どうやらこのメインボードに原因がある模様.

ドライヤーであっためると画面が正常になりますのでこのボードのコンデンサが不良ということです.

ただコンデンサを見ても目に見えて吹いていたり,膨らんでいたり,傾いているものはありませんでした.

lelon製コンデンサがあったのでとりあえず交換しておきましたが,それでは直りませんでした.

こういう場合の対処の仕方としては

ドライヤーで基板をあっため映像を正常にする

布でくるんだ保冷剤をコンデンサひとつひとつに押し当てる

極端に症状があったするコンデンサがあるのでそれが原因

というように不良コンデンサをさがします.今回はこの白丸の100uf 25Vのコンデンサが原因でした.

電源ラインに近いことと,上に写ってるコイルがコイル鳴きをおこしていたのでこの辺があやしいと思っていただけに結構簡単に見つかりました.

早速交換といきたいのですが

このコンデンサは表面実装タイプでスルーホールタイプのように簡単にはできません.

普通に取ろうとするとパターンが剥がれて修復不可能になるという悪夢に襲われた人も多いのでしょうか.

取り外し方は二本のはんだこてではさみ,はんだが解けたら箸でつまむようにして取り外すという方法もあるのですが,わたしは写真のようにニッパー,ハサミ,カッター等をつかってまず上から順番に破壊していく方法をとりました.

この方法はにが氏のページで紹介されていたので結構メジャーかも

とりあえずプラスチックの台座だけの状態にします.

台座を取り外すとこのようにリードだけになります.こうなればハンダであっためてやれば簡単に取れます.

なお松下のS-VHS機のHICなどはパターンが弱く,それでも剥がれたりするようです.そういうときはこの残った旧コンデンサのリードにつけていました.

電解液がもれてると基板が腐食しますし,ハンダの乗りもわるくなるのでアルコールで洗浄しましょう.

そしてコンデンサをハンダ付けするだけです.

この基板はハンダの乗りもよくパターンもしっかりしてたのでやりやすかったですね.

ついでに同じコンデンサをつかってたところも交換しました.

仮組状態ですが,スイッチをいれてみたところ無事写りました.交換成功です.

ただWindowsのデスクトップのような青い画面だとわずかにノイズがのってるようにも見えますがまあ支障はないレベルなのでとりあえず,本組みして終了しました.

そのうち他の表面実装コンデンサも交換することになるかも知れませんね.

天下のシャープ様まで数箇所だけですがlelonコンデンサをつかっているようで,萎え萎え

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