アマチュア無線機 IC-T90のアンテナ部を修理しよう

小さいながらも5W出て 50/144/430と3バンド使えるため、かなり気に入っているIC-T90ですが

なぜか、短波や中波を受信していると受信感度がめちゃくちゃ悪くなるときがあり、

アンテナのSMAコネクタ周辺を触ると急に回復することがあったので

おそらくはアンテナコネクタ部のアース不良なのかな?とおもって修理することにしました

 

ということで裏蓋をあけます。

ねじはいっぱいありますが図に〇をつけた6つのねじだけで裏蓋は空きます。

あとベルトクリップは外したほうが今後の作業がしやすいです。

裏蓋を開けると、まずロジック部をつなぐケーブル類を外します。

フレキシブルケーブルはコネクタを外すだけですが

紫色のケーブルを離線させるために〇で示したところのハンダを溶かす必要があります。

ロジックユニットと完全に分離できたら次は今回の作業の一番の難所であるAFユニットの分離です。

そのためには〇でしめした箇所のハンダを除去する必要があります。
周波数を変えるためのエンコーダーとのハンダも除去する必要があるので忘れないようにしてください。

半田吸い取り線があれば経験さえあれば難なくできるとおもいます。

 

AFユニットのハンダを除去できたら今度は3つのビスを除去します。

これで完全にAFユニットが外せます。

するとRFユニット基板がでてくるのでやっとお目当てのSMAコネクタとの接続部を見ることができました。

左上のハンダに割れがないか注視します。

その際に、ここのねじも外すとSMAコネクタの固定が甘くなり

SMAコネクタが動きやすくなるのでゆすってみると

やはりSMAコネクタとRF基板の接続部のハンダの割れを発見しました


てっきり外側のアース側の方かとおもってたら中央の芯線の方でした
これだと144/430でもおかしい症状が出てそうですが
なぜかVUでは症状が出てこなかったんですよね・・・

 

単純に気付かなかっただけなのか、それともVUのアンテナはたまたまSMAコネクタを揺らすほどモーメントがかからなかったので基板との接触状態が維持されたか

それにしても芯線が離線状態で送信してたらほぼすべて反射電力になるのでRFユニットを壊すところでした。今気づいてよかったです。

ちなみにこの機体は技適番号002KN436なので新スプリアス対応です。今後も安心して使えます。当たり前ですがJありです

割れたハンダを修正したのちの写真ですが、当たり前ですが写真上は変化がありません。

GND側もやり直しておきました。

両者の距離は近いので
組付けの際はGND側と芯線が誤って導通してないか確認の上
逆の手順で戻していきます。

無事組みあがりまして、アンテナつないでテストしてみましたが無事短波や中波も安定して受信できるようになりました。

やはりコネクタ部の接触不良だったようです。

 

受信してる周波数については気にしないでください

余談ですが、短波や中波はこのように同軸ケーブルをつかったマグネチックループアンテナ(通称MLA)を自作して受信アンテナにしています。

利得は低いのですが広帯域でノイズにも強いので
ベランダにおいておけばかなりの放送局を受信できます。

直径60cmの小ぶりなものでお手軽に作成できますが侮れません。短波中波の受信に興味がある方は作成してみると損はないかもです。

 

あとついでにIC-T90をばらしたので各ユニットの大きい写真を
用意しておきました、何かの参考になればと思います。



AFユニット基板オモテ

AFユニット基板ウラ

RFユニット基板オモテ

ロジックユニット基板

しかしIC-T90は使い勝手がよいです

受信感度もかなり高いですし

 

2波同時受信ができない

出力が5Wと0.5Wのみで中間の3Wや2.5Wが出せない

外部電源が11Vと謎仕様

純正バッテリーがすでに入手困難

 

今のところ↑くらいの欠点しか見当たりません

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